by小野進一
【徹底解説】デザイナーで年収1000万円は目指せる!
この記事では、コミュニケーション業界(広告・デジタル・PR)に精通したプロの転職キャリアコンサルタントがキャリアに関するお悩みや不安にお答えします。
今回は「デザイナーで年収1000万円は目指せる?」という相談について解説していきます。
今回のお悩み
「デザイナーとしてこの春に就職して約5カ月。 将来、デザイナーで年収1000万円稼げる可能性はありますか?」
(Gさん・22歳男性・デザイナー職)
デザイナーになりたくて、小さなデザインプロダクションに新卒で入社しました。
まだ入社して5カ月なので修業中ですが、先輩デザイナーが手掛けているのは流通会社のチラシや旅行会社のチラシ、通販カタログなどばかりで、デザイナーとしてスキルアップできる環境なのか心配になっています。
先輩はみんな「給料が安い」とこぼしているので、なおさら将来に不安を感じています。デザイナーとして成功して、高収入を得るのが私の目標です。
頑張ってスキルを積めば、デザイナーでもいつかは年収1000万円を稼げるようになるのか、教えてください。
- 現在デザイナーとして、勤務されている方
- デザイナーとして転職、独立を考えていらっしゃる方
- 働き方を改善したい、給与を上げたい方
- 成長率の高い企業へ転職を検討している方
好きなことを仕事にできるデザイナーという仕事に就けたことは素晴らしいことですが、収入の面に関しても気になるところですよね。
今回は、現在デザイナーとして勤務し始めた方、デザイナーとして転職・独立を考えている方に向けて、デザイナーで年収1000万円を目指せるかについて徹底解説していきたいと思います。
目次
デザイナーの年収とは
気になるデザイナーの年収ですが、厚生労働省の賃金構造基本統計調査では、次のような職種が”デザイナー”として分類されます。
・デザイナー
・服飾デザイナー
・商業デザイナー
・インテリアデザイナー
・ディスプレイデザイナー
・グラフィックデザイナー
・広告デザイナー
幅広い職種が、“デザイナー”として分類されています。
デザイナーの平均年収は
2019年に発表された賃金構造基本統計調査を参考に算出すると、全国のデザイナーの平均年収は432.8万円になります。
男性が498.6万円、女性が372.4万円と、男性と女性では大きな差があることが分かります。
調査書に記載されている全職種の平均年収は454.5万円なので、他の職種と比べてデザイナーの年収は若干低いという結果となっています。
デザイナーの年収の差について
年収は、企業規模や場所によっても大きく変わっています。
企業規模で従業員が1000人以上の企業では年収が548.5万円なのに対して、10人~99人では436.5万円となっています。
企業規模によって、年収で100万円以上の差があることが分かります。
さらに、企業がある都道府県でも大きな差があります。
埼玉県では年収が699.5万円なのに対して、徳島県では218.4万円となっています。
会社のある場所によって、実に3倍以上の差があることが分かります。
100%プレイヤーとしてのデザイナーのうちは難しい
いきなり結論から言いますと、企業に所属している「100%プレイヤーデザイナー」のうちは、年収1000万円を稼ぐことは不可能です。
しかし、1000万円を稼げるデザイナーになるための方法はたくさんあります。
それでは、1000万円を稼げるデザイナーになるための代表的な方法を、2つご紹介していきたいと思います。
自分が手を動かさないデザイナーになる
「手を動かさないデザイナー」とは、自分が窓口となってデザイン案件を受け、ほかのデザイナーに割り振るというデザイナーのことです。
大抵の場合、「デザイン料」は単価がある程度決まっています。たとえば、1ページ何万円、1サイト何十万円といった具合にあらかじめ設定されています。
制作全体の予算でデザインに割り振れる金額は決まっていますし、大手広告代理店の料金体系に準じるケースが多いからです。
デザイナー1人がデザインに掛けられる時間や量には、限度があります。
それが決まっている以上、どんなに有能なデザイナーであっても、稼げる売り上げには限度が出てきてしまいます。あらゆる工夫を凝らし効率をあげたとしても、月100万円以上の収入を得ることはほぼ不可能と言ってもよいでしょう。
自分が手を動かさないデザイナーは、「アートディレクター」に近い立場になります。
しかし、これならば、デザイナーとしての経験を活かしながら、高収入が実現できます。
デザイン以外のスキルがあるデザイナーになる
デザイン以外にも報酬を得られるスキルを身に着ければ、将来的に1000万円を稼げるデザイナーになることが可能です。
デザイナーが身に着けると良いスキルとしては、次のようなものが挙げられます。
・WEBデザインスキル
・UI(User Interface)デザイン
・Webマーケティングスキル
・プログラミングスキル
「デザイン」という専門分野以外の工程も、行うことになります。
クライアントが求める作業内容は、ピンポイントであることが多いです。しかし、ワンストップで複数の作業を依頼できるデザイナーの存在は、依頼する側からのメリットが大きいので、重宝されること間違いなしです。
デザイン以外の業界についても知ることができるので、広い視野で物事を見る力が養え、高単価の案件に参加できる可能性が広がります。
それには、デザインに偏らずに、さまざまな分野のスキルを身に着ける努力も必要になります。
年収1000万円デザイナーになるために必要なこと
年収1000万円以上を稼げるデザイナーになるためには、デザインのスキルを向上させるだけではなく、日々の心がけも必要になってきます。
若手デザイナーとしての経験の積み方を大切にする
「年収1000万円以上を稼げるようになるデザイナー」になるためには、若いうちの経験の積み方が重要になります。
優秀なデザイナーに囲まれる環境を経験する
大前提として、できるだけ早い段階で「優秀なデザイナー(クリエイター)に囲まれる環境」を経験してもらいたいです。
広告代理店のクリエイティブから直接受注している広告制作会社や、デザインに厳しいクライアントの案件を抱えている広告代理店などが理想です。
そのような環境にいれば、優秀なクリエイターや社外の優秀なアートディレクターなどと数多く関わることができ、彼らに揉まれて鍛えられます。
「何となくこの位置に写真を配置…」「何となくこのフォントで…」などという、いい加減な仕事には容赦なく罵声が飛んできます。
タフな環境ではありますが、「デザインとは?」を徹底的に考える機会に恵まれるでしょう。
そこでたくさんアイデアを出し、トライアンドエラーを繰り返せば、デザイナーとしての成長につながります。
マインドにも影響を与えられる環境を経験する
環境はスキルだけではなく、マインドにも大きな影響を及ぼします。
同じ学歴でスタートしても、東京の大企業でプロ集団に囲まれる環境に身を置くと、自然とロジカルな考え方も身に着きます。
さらに、毎日の過ごし方も変わってきます。デザイナーとして日々アンテナを高く張って過ごせば、数多くの最新デザインに触れることができます。
休日などの過ごし方も変えられ、最新の情報を収集することや、新しい手法を勉強することなどにも取り組みやすくなります。
一方、地方の中小企業では取り組める仕事の幅が狭く、最新のデザインに触れる機会も得にくくなります。
環境によって得られるものの差は大きく、年月を経るごとにその差は取り返しのつかない程大きなものになっていきます。
相談者のGさんが在籍している会社は、このような経験を得られにくい環境のようです。
もちろん、学べることはたくさんあると思います。
しかし、本気でデザイナーとしてのスキルを身に着け、年収1000万円を目指したいと考えるならば、優秀なデザイナー/クリエイターに囲まれる環境がある会社に移ることを、視野に入れても良いかもしれません。
「絶対に妥協しない」を徹底するデザイナーになる
「細かなことでも妥協しない」を徹底するようにしましょう。
いくら納期が迫っていても「まぁ、これでいいか…」という仕事をしていては、順調なレベルアップは臨めません。
気になる部分があれば最後の最後までこだわり抜き、最善の方法をギリギリまで探究するデザイナーになってください。
「妥協しない」を徹底すると、他の人のデザインにおいても細かい部分まで目がいくようになり、デザイナーとしての目が肥えていきます。
妥協することなく細部までこだわり抜いたデザインは、必ずやクライアントから感嘆と賞賛の声を得られます。
「次もこの人にお願いしたい」と、仕事がどんどん集まってくるでしょう。
これを実践していくことは、「手を動かさないデザイナー」になるための素地になります。
平均して10年はこの取り組みを続け、集まった仕事は可能な限り周りの信頼できるデザイナーに割り振り、自身はアートディレクションに徹してください。
結果的に、「クオリティーの高い仕事を、数多く」こなせるようになり、収入もぐんと増え、1000万円という年収額が見えてくるはずです。
デザイン以外の付加価値があるデザイナーになる
こちらの方法に関しては、はっきりとした分業制が敷かれ、職種や担当範囲が決まっている大手企業にお勤めの方には難しい方法かもしれません。
なぜなら、デザイナーという「職種」の枠を超えた価値をクライアントに提供して高額な報酬を得る手法だからです。
たとえば、小売店に足を運び、売り場の課題抽出や予算管理を含めた広告展開の提案をするといった内容の業務を行います。
ここまでくると「それはもうデザイナーではない」という声も聞こえてきそうですが、もうデザイナーがクリエイティブの部門だけを担当する時代は過ぎ去っています。
欧米ではデザイナーとマーケターを兼ねる人こそ、真のデザイナーであるとすら言われています。そして、そういったクリエイティブとマーケティングの融合の流れは、まず間違いなく日本にも来るでしょう。
もちろん、デザインだけに特化したデザイナーもいます。
しかし、デザイナー特有の「解決型の思考力」や「言語化能力」を活かすことで、デザイナーに軸足を置きながらも営業やコンサルタントも兼ねるような存在として、クライアントに貢献することが可能になります。
独立して高収入を得ることも可能
今まで述べたことを当たり前に行えるデザイナーになることができれば、報酬を得られる項目がデザイン費だけでなくコンサルティング費や管理費など複数にまたがってきます。
会社での評価や地位も向上し報酬アップも期待できるので、年収1000万円が見えてくるようになります。
さらに、「1人広告代理店」などと言われて、クライアントに非常に重宝される存在にもなります。
すると、法人でもフリーランスでも独立が十分視野に入り、年収1000万円がより現実的になってくるのです。
まとめ:デザイナーで年収1000万円を目指す!
いかがでしたでしょうか?
プロの転職では、大きな夢に向かって頑張ろうという若手クリエイターを応援しています。
単価がある程度決まっているクリエイティブ業界は、収入的にあまり夢を持てない業界と見られています。しかし、実はその人のやる気や工夫次第で高収入を得られる業界でもあります。
あなたが夢を持って輝けるように、プロの転職にお手伝いさせてください。
スキルの棚卸しや市場価値の確認だけでも大丈夫です。
「今いる環境のままで本当に良いのか…」「方向性は間違っていないか?」など、ご自分のキャリアに迷われたときには、お気軽に弊社キャリアコンサルタントにご相談ください。
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