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業界ナレッジ

by小野進一 小野進一

10年後、20年後に生き残る人材になるためには?「キャリアコンサルタント目線の市場価値について」マーケティングキャリアセミナー(前編)

キャリア支援サービス「プロの転職」運営統括の野崎(白メガネ)です。

この記事では、株式会社バイセルテクノロジーズ様にお招きいただいて開催した、マーケティングキャリアセミナーの模様(前編)をお伝えいたします。(後編はこちら

「スーツにネクタイ、それっぽい面談をして求人票が大量に出てくる、数撃てば当たると言わんばかりのマッチングをして、ラッキーパンチがあれば決定年収の約35%の成果報酬が入ってくる」という”転職エージェント”の一般的イメージからすると、「エージェントが企業に所属している人に対して何をするのか?」と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、弊社は自分たちのことを「転職させ屋さん」とは思っていません。 むしろ上記のような業界を変えたいと考えています。

一人ひとりの人生を考えるキャリアコンサルタントとして求職者のみなさまと接していることをご理解いただいているからこそ、今回は中立の立場としてマーケティングに携わる「マーケター」のキャリアについて、お話をさせていただきました。

日本のマーケターやマーケティングに関わるみなさまが、それぞれのキャリアを考えるヒントにしていただければ幸いです。  

この記事のコンサルタント:

野崎大輔のバストアップ写真

【プロフィール】

野崎大輔 キャリアコンサルタント/プロの転職運営統括

デジタル時代で10年後も勝ち続けるキャリア設計を支援する白メガネ。転職/副業/就活/イベント企画を横断したコンサルティングに従事。リクルートの人材ビジネス、博報堂DY系アイレップ等を経て現職。デジタル知見を活かしたマッチングが得意。趣味は面接同席。MarkeZine「白メガネ野崎が突撃!」連載中。

(協力:株式会社バイセルテクノロジーズ マーケティング部の皆様)

バイセルテクノロジーズ公式サイト

※本記事は、2018年11月26日に株式会社バイセルテクノロジーズ様内にて開催したマーケターキャリアセミナーをプロの転職編集部が再編した内容になります。

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後編の目次はこちら※

1.広告業界・マーケティング業界の激動

2.Q&A(質疑応答)

2-1.Q.マーケターとしてキャリアを重ねていって、世の中で需要はありますか?

2-2.Q.デザイナーが昇給していくにはマネジメントかディレクターしかないですか?

2-3.Q.大企業の楽しいところは?

2-4.Q.転職って大変ですか?

2-5.Q.英検などの資格は人事の目に留まりやすいですか?

2-6.Q.業務に使える資格と、転職に使える資格を教えてください。

2-7.Q.来る日も来る日も作業に追われてばかりで、他に何もできません。

3.マーケターキャリアセミナー参加者の感想

マーケティング業界・デジタル業界のトレンド

進化したアラフォーを5~6社が取り合う

進化したアラフォーを5~6社が取り合う

まず大前提として、この業界の転職したい人と企業からのニーズは、現状の市場感でいうと1対9か2対8です。

いくら人手不足とはいっても内定人材に絞ると限られていて、企業側も誰でも良いから欲しいというわけではありません。

24~32歳くらいの方を「ゴールデンエイジ」という言い方をしていますが、この層は会社の名前と仕事内容と年齢だけでいかに口説くかという面接になってきます。

基本的には売り手市場なのですが、これにはトリックがあります。 仮に1億円の家があったとすると、それは土地代と家を合わせて1億円です。

じゃあ建物が5,000万円、土地代が5,000万円としたときに、24~32くらいの年齢の方は土地の方にとても値が付きやすいので、更地でも鍛えられるという発想で決まりやすいのです。

しかし、これ以降の年齢になると、土地の価値が少しずつ下がってきます。 組織はピラミッドになっているので、上に行けば行くほど人がいらなくなってくるという考え方になりやすくなります。

でも伸びしろがあって追い風を受けている時代に家の方の価値を上げておくと、いざ地価が下がり始めた時にいろんなところから引く手数多になったりします。

数年前の話ですが、こんな方がいらっしゃいました。クリエイティブまわりを15年以上やっていた40歳弱の方で、内定が何社も出て5~6社で取り合いました。

普通そのくらいの年になってくると転職しづらいものです。

彼は、LPのディレクションや販促系の経験を経て、最終的にブランドマーケティングのクリエイティブをディレクションできるようになっていました。

KPIの設計の仕方や上流工程のマーケティングを時代に合わせてできるように進化していたんですね。

その結果、そのノウハウが欲しいとなり、リアルタイムでベッティングされて、「幾ら出したら取れる?」という話が裏で行われ、年収が吊り上がっていきました。

単純にLPの制作だけをずっとやっていたら、同じスキルだったら若い人もいますから決まらなかったでしょう。 彼は家の価値を上げていたから、このようになりました。

どの人材がもっとも採用のニーズが集まるか?

どの人材がもっとも採用のニーズが集まるか?

問題です。次のA、B、C、Dの4人のうち、市場価値という観点で誰にもっとも採用のニーズが集まると思いますか?年収の業界平均は、30歳で年収500万円くらいです。  

年収
年齢
スキル
転職理由
A
600万円
25
キャリアUP
B
400万円
25
キャリアUP
C
1200万円
42
ベンチャー挑戦
D
1200万円
42
会社業績不振

正解は、圧倒的にBさんです。 Aさんは年収が下がるので、辞めない方が良いですね。提案しづらいです。

Cさんも似ていて、優秀なのは間違いないですがマッチングするところがピンポイントです。こういう人は人脈を作っておくのが大事です。飲みの場で誘われたりするのも結構あるあるです。

2~30代のお互いに利害が発生する前からつながっておくと、30代、40代、50代になったときに助け合えるのもよくある話ですね。

汎用性が高いスキルの貯金

汎用性が高いスキルの貯金

たとえば印刷の業界で20年営業やってきました、という人は、汎用性がないので転職がなかなか難しいです。

株に似ているところがあって、同じスキルだったら若い人の方が価値が高いですし、年長になるほど差分が広がっていきます。

20代とか30代前半のうちにスキルの貯金をしておくことも大事なんじゃないかと思います。 汎用性がつきやすいのは、やはり成長産業です。

例えば×IoTですね。健康×テクノロジー、金融×テクノロジー、教育×テクノロジー。

このスキルを使って何か事業を広めていきたいとか、インターネットを前提としたクリエイティブの制作を出来るということがとてもバリエーションが付きやすいです。

最も成長産業なのはグローバルです。英語が話せるだけで年収が200万くらいサクッと変わります。

その代わり外資はシビアなので、野球選手みたいに1年で社員の馘首がありえる領域ですが、選べる幅が全然変わります。

あとは高齢化社会ですね。確実に日本は先進国の中でいち早くぶち当たっているので、それに根ざしたサービスはやはり需要が大きいです。 この辺に携わってる人達は、10年後も経験が活きます。  

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組織の中で極限まで自分の価値を高めるとは?

組織の中で極限まで自分の価値を高めるとは?

いかに30歳、35歳までに自分のベースを作るか

小中高大のように卒業していくという形をとるのが当たり前な業界なので、会社を使って自分の市場価値を極限まで高めるということを意識していただきたいなと思います。

自分の強みが何なのかを客観的に語るのは難しいですが、市場価値が高いスキルを持っていれば年収は自然に上がります。

いつもキャリア面談の時に言っていることですが、「定年」という文化は恐らくなくなっていきます。 仮に20歳から70歳まで働くと考えると、あなたが歩むキャリアは全部で50年になります。

そうすると10年やっても進捗率はたったの20%。30歳超えでまだ80%も残っている状態です。

ところが40歳、50歳になってから未経験ですと新しいことに挑戦するのはかなり難しいので、いかに20%30%、つまり30歳、35歳までに自分のベースを作っておくかがとても大事ということになります。

これを読み間違えないことが重要です。

時代は刻々と変化していて、例えば今はリアルが見直されているタイミングでもあって、インサイドセールスとかカスタマーサクセスとかの需要が高まってきています。

攻めのマーケティングをやってきた人は特に、バブル需要があるんじゃないかと思います。

未来を見据えたキャリアの逆算をする

(出典)総務省「国勢調査」及び「人口推計」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成24年1月推計):出生中位・死亡中位推計」(各年10月1日現在人口)、厚生労働省「人口動態統計」

上の図は、総務省の資料です。 (出典:総務省「国勢調査」及び「人口推計」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口:出生中位・死亡中位推計」、厚生労働省「人口動態統計」)

見ていただくとわかるとおり、今後20年で労働人口が大きく減ると言われています。 2010年に約8000万人いた労働人口は2030年で約6,700万人にまで落ち込む予想です。

丁度30代、40代くらいで子供の養育費と親の介護問題にダブルで挟まれてしまうというのは、誰にでもあり得る話です。

更に物理的に自分に時間を割けなくなる状況が増えてくると言われているので、未来を見据えたキャリアの逆算をすることが大事になってきます。

未来は誰にもわかりませんが、読める部分もあります。 ECが絶対来るとか、自動運転タクシーとかですね。

スキルとして何を持っておくと他の会社や自分が起業したり副業したりした時に活かしやすいのか、バリューが付きやすいのかと考えて頂きたいなと思います。

シンアド転職エージェント登録者の年代別年収比較表

上のグラフはプロの転職登録者の年代別年収比較表です。

弊社サービスはコミュニケーション業界(広告業界、PR業界、デジタル業界)に特化しているので、この数値はおそらくかなりリアルな業界平均値だと思います。

ボリュームゾーンは20代が300~500万円で60%を占めているのに対して、30代になると400~600万円で40%、40代になってくるとボリュームゾーンが600~700万円くらいになります。

1000万円以上にピークがもう一つあって、2割近くいますね。これが50代、60代、70代となった時にどうなるかは、誰もまだ体験していない未知の領域です。

大手求人サイト登録者との平均年収比較さらに男女別に分けて、大手求人サイトが発表している平均年収と比べたのが上の表です。

コミュニケーション業界(広告業界、PR業界、デジタル業界)に属している方は、平均を大きく上回っているということがお分かりいただけると思います。

年収を上げるだけなら簡単で、自分がやってきたことを求めている会社に行けばすぐに上がります。

でも入った後に給料を上げることや、やりたいことをやって自分のスキルをつけることの方が大事です。 お金だけで動く人は失敗するパターンをたくさん見ているので、よく見極めていただきたいと思います。

年金がどれだけ貰えるかということも含めて老後を考えると貯金が1億円あっても足りないんじゃないかという話ですが、50歳、60歳になってから貯金いっぱい作ろうと思っても難しいです。

逆算しながら自分が売れるポジションを作っておくのが大事ですね。(⇒後編に続く

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小野進一

小野進一

この記事を監修した人 小野進一 株式会社ホールハート CEO

大学卒業後、大手クレジット会社、日本最大手の企業信用調査会社を経て宣伝会議へ転職。同グループ内で人材紹介会社の創業社長、宣伝会議取締役を経て、2008年ホールハート創業。広告業界に強力な人脈を持ち、2万人以上の求職者支援の実績。これまでのキャリアを活かした他業界への転職支援実績も豊富。人材業界20年の大ベテランで、裏表のない人懐っこい性格からファンも多い。圧倒的な経験と情報量を裏打ちとした、「人」と「人」を繋げるマッチングが持ち味。一般社団法人マーケターキャリア理事を務めている。 受賞 第7回 日本ヘッドハンター大賞(2014年度) 広告 部門 MVP 第8回 日本ヘッドハンター大賞(2015年度) 広告 部門 MVP DODA Valuable Partner 2018 BEST CONSULTANT賞

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