by小野進一
ITエンジニアにおすすめの転職!NFTマーケットとは?
現在のインターネットは、第二世代の「Web2.0」が基盤となっていて、Webシステムをプラットフォームとして活用することで、各種サイト、ブログ、SNSなどの利用が簡単にできるようになっています。
しかし、昨今のIT社会ではインターネットの仕組みは複雑化しており、Web2.0では管理しきれない状態に近づきつつあります。
そのため、Web2.0の諸問題を解消するために「Web3.0」への移行が進められています。
Web3.0ではWeb2.0のように、一つのプラットフォームに管理が集中することなく、管理主体ごとに独立し稼働するように仕組まれた、分散型インターネットで「NFT」はその先駆けとして注目されています。
「NFT」が可能にしていること
NFTとは、Non-fungible Tokenの略称で、日本語では非代替性トークンと呼ばれ、いわゆる最新認証技術のことです。
「非代替性」とは替えの効かない、唯一無二なものであるということを表します。
具体的に言いますと、コピーされやすいデジタルデータを、NFT技術を用いることでオリジナルのデータであると示すことができます。
すなわち、デジタル証明書を確立することにつながるわけです。
目次
「NFT」技術について(基本的なこと)
NFTの技術の活用で、デジタル資産の所有者を明確にできることから、デジタル資産のコピーは排除され、データの価値をきちんと証明できる環境が整います。
これは、デジタル分野での創作活動やトレーディングなどの活発化を促す起爆剤にもなっています。
今まで、デジタルデータに唯一無二な価値をもたせることは、困難であると言われてきましたが、NFTによって時代は大きく変わろうとしています。
たとえばアーティストにとって、作品をコピーや改ざんされることなく、価値を守りつつ利益を得ることも可能になりますし、今後さまざまな分野で活用されることが期待されています。
「NFT」技術が活躍している事例①「アート」
従来の絵画や彫刻などのアート商品の概念は、アーティストの手から放れることで価値が生まれ、その時点でアーティストの権利は無くなっていました。
しかし、NFT技術で手数料機能をプログラミングすると、作品がアーティストの元を離れても作品が転売されるたびに利益を得ることが可能となります。
これは、音楽が使用されるたびに作曲家や作詞家に支払われる「印税」と同じような仕組みです。
「NFT」技術が活躍している事例②「トレーディングカード」
NFTを活用したサービスとして、アメリカのプロ・バスケットボールリーグの「NBA Top Shot」というアプリケーションがあります。
NBA Top Shotは、NBA選手のトレーディングカードの販売や収集、展示を行うことができます。
その仕組みは、デジタル上にトレーディングカードが存在しており、カードの中にNBA選手のプレイ動画が格納されています。
カードの中に有名選手の神技の名シーンも格納されている楽しみと、紛失したり汚れたりすることがなく、NFTによってカードの複製はできない価値あるものです。
もちろん、オリジナルカードをNFT市場で売買もできるようになっています。
「NFT」技術が活躍している事例③「キャラクタービジネス」
NFTは、キャラクタービジネスの世界でも活用されています。
もともと、キャラクタービジネスのマーケットは、巨額が動く可能性が高い業界で、不正利用やグッズの無断販売、フェイク商品の販売などさまざまな不正に悩まされていました。
そこで、NFTの技術によって、キャラクターなどをアート作品にして販売して、商品追跡機能から販売個数や金銭などのやりとりの確認が可能となっていることから、悩まされていた課題の解消にNFTの技術が役立っています。
「NFT」技術のメリット(特徴)と課題
さまざまな分野で活用され始めているNFTですが、NFTをより知ってもらうためにNFTの持つメリット(特徴)と課題を解説していきます。
「NFT」技術のメリット(特徴)
①コピーすることが不可能(不正や改ざんができない)
デジタルアートの分野では、データが簡単にコピーできてしまうことから、フェイクが氾濫するなど、今まで販売するのが中々難しいといわれてきました。
しかし、デジタルアートにNFTの証明技術を活用することで、そのアートがオリジナルであることを証明でき、作品として販売ができるようになります。
実際、世界最大級のNFTマーケットプレイス『Open Sea』では、毎月20億ドル以上の取引が行われています。
②データの移動情報を追跡できる
NFTには、データの移動情報の追跡ができる特徴がありますので、NFTを活用すると、取引の履歴を記録できるようになり、作品が転売される度にクリエイターに著作料を還元できるようになります。
③事務手続きや書類のやりとりを省略できる
NFTに使われるイーサリアムには、スマートコントラクトという機能が搭載されており、契約時にいちいち契約書を交わすとか第三者を仲介させる必要もなく、取引物の価値の移転と契約を成立させることができます。
つまり、売りたい人と買いたい人を¥の仲介をNFT技術で成し遂げてしまうということです。
「NFT」の課題
NFTは注目度の高いIT技術ですが、まだいくつかの課題が残っているのも事実です。それが、どのような課題なのかを解説していきます。
法整備が追いついていない
NFTを活用したマーケットが急速に成長したため、世界の国々でNFT利用のビジネスについて法の整備が追いついていません。
基本的に金銭のやり取りがあるため、NFT活用時の統一した法整備を設けないとトラブルが発生することが予測されています。
ガス代(手数料)が高騰しやすい
NFTの取引時には、「ガス代」というネットワーク手数料が発生するのですが、株式などの取引手数料のように一律ではなく、手数料の価格は出品者が決めています。
そのため、場合によっては取引時に高額なガス代を支払うことにもなりかねません
著作権問題には、注意が必要
誰でもデジタル作品を出品できますが、出品商品が後に著作権問題に触れてしまうと作品としての価値は無くなります。
作品の中には、著作権の所有を保証していないものもあるため、購入する際はその点を注意しておかなければならないでしょう。
「NFT」の将来性とそのマーケットとは
NFTの登場によって、無名のアーティストや一般人でもデジタル作品を販売することで大きな利益を得られる可能性を秘めています。
NFTの活用が期待される分野も拡大されつつありますので、新たなビジネスチャンスにつながる可能性は多様にあると言えるでしょう。
「NFT」の将来性
NFTが盛んに使われているゲーム分野では、バンダイナムコがブロックチェーンゲームの開発・運営を手がけるdouble jump.tokyo(DJT)へ出資をしており、今後バンダイナムコが有する知的財産のNFT化を進めていくと予想されています。
また、LINEではNFT総合マーケットプレイス「LINE NFT」をオープンして、人気キャラクターなど幅広いコンテンツを活用して販売しています。
このように、今後さらにNFTを活用した世界は広がっていくと予測され、将来性を感じさせるマーケットと思われます。
「NFT」の技術開発に求められる人材とは
NFT開発で求められるスキルは、ブロックチェーン(特にイーサリアム)の知識と
セキュリティに関する知識、また万全なセキュリティ対策を施して実装を行えるスキル、UIやUXを実装できるスキルなどが挙げられます。
「NFT」の技術開発に必要な資質
開発という仕事は、一人ですることとチームで行うことの両面があり、チームでの開発をするときに必要な資質は、円滑なコミュニケーションスキルです。
その他にも開発担当業種の業務知識、IT技術は日に日に進歩していることから新しい技術への興味や関心を持ち、それらに能動的に取り組む姿勢も重要です。
転職までに準備しておきたいポイント
NFT開発に必要な知識であるブロックチェーンの高レベルの知識、ゲームやメタバースに携わるのであれば、米国のUnity Technologiesが提供するゲームエンジン「Unity」などのゲーム開発に関する知識や実装できるスキルも準備しておきましょう。
開発言語とフレームワークの知識
NFTの開発には、開発言語「Solidity」とフレームワーク「Truffle Suite」を組み合わせて行いますので、事前にこの2つをマスターしておくことを強くおすすめします。
NFTを用いたシステムを作ってみる
開発言語とフレームワークを学んだら、NFTがどのようなものか理解を深めるために、実際にローカル環境でNFTを用いたシステムを作ってみましょう。
まとめ
NFT開発の経験がある方でスキルアップを望まれるなら、企業のNFT技術のレベルやNFTを活用したサービスがどのような内容で、今後の事業フェーズがどのような展開をしていくのかなどの情報を収集されると良いでしょう。
また、NFT開発に携わった経験がない方でも、システムエンジニアとしてのスキルがあれば、IT人材が不足していることから採用される可能性もあります。
転職成功のためには、今後のキャリアプランを明確にして、転職先を検討していくことが重要です。
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