by小野進一
【リアル事情】広告代理店の残業時間とは?
広告代理店は「仕事がきつい」、「残業が多い」などのイメージを持たれがちであり、特に残業時間に関しては長いというイメージが強い傾向があります。
ちなみに残業時間が多い業種のランキングでも広告代理店は1位を飾るほど強いイメージと実情があることが判明しており、広告代理店と残業は切っても切り離せない関係であると考えられているようです。
残業がない月は存在しない
では実情での広告代理店の残業時間はどのようになっているのかというと、多くの人が語っているのは「残業がない月は存在しない」というものです。
繁忙期ではない時期であっても月に50時間はあると言われているようですし、激務の時期や繁忙期になると月に120時間は過ぎてしまうといいます。
その結果として年に平均して90時間程度は残業時間があると言われており、ほとんどの代理店勤務の職員には定時の概念が存在しないとされています。
このような状態になっている背景にはいくつかの理由があり、その中のひとつとして挙げられているのが「顧客からの無茶な注文」です。
広告代理店は顧客からの依頼を受けて広告を作成するのが仕事となっていて、期限までに依頼された広告を作成します。
その間にも定期的に打ち合わせやミーティングなどが行われるのですが、この打ち合わせやミーティングに関して急な要請がかかるケースも珍しくないといいます。
中には「今日中に仕上げてほしい」、「明日の朝までに届けてほしい」などの要請がかかる場合もあり、結果的に残業をしてでも顧客の要望にこたえなければならなくなるのです。
ちなみにこの要請を断ってしまうとほかの広告代理店に依頼されてしまうなど、どんどん仕事がなくなってしまうという点も残業時間を増やしてしまう要因と考えられています。
期限や納期などの締め切り
そして残業時間を増やす要因として多くの広告代理店を悩ませているのが「期限や納期などの締め切り」です。
早めに依頼が来ていればある程度余裕をもって作成できるものも、顧客からの依頼が締め切りのギリギリになってしまうケースも多いといいます。
その結果広告代理店側が締め切りまでに必死に広告を仕上げなければいけなくなり、どうしても定時では帰れなくなっているのです。
もちろん締め切りを守れないというのは顧客からの信用を失ってしまうので、仕事をもらい続けるためには残業時間を増やしてでも締め切りを守る必要があります。
ほかにも要因として考えられているのが「人員不足」や「マネジメントの失敗」などのポイントであり、特に深刻なのが人材不足だといわれています。
人気がある広告代理店の場合はどんどん依頼が舞い込んでくるのですが、その分依頼をこなすために1人1人に割り振られる仕事が増えてきます。
そのため依頼を完了させるために必要な段取りもほかの人の仕事の進み具合を確認しながら調整していかなければいけませんし、後回しにする仕事が増えれば増えるほど残業時間が伸びていくのです。
忙しさは時期によって異なる
このような背景から広告代理店の残業時間はほかの業種と比較するとかなり長い部類に入っていて、残業しなければいけない仕事環境や意識が定着してしまっている状態となっています。
このため定時で帰宅したいと考えていてもなかなかできない状態ですし、職場の環境としても定時で帰るのは仕事がないのではないかと思われてしまうところもあるようです。
ただし広告代理店の忙しさは時期によって異なっていますし、締め切りに関しても顧客によって様々です。
そのため繁忙期でない場合にはそこまで無理な仕事ばかりが回ってくるわけではありませんし、顧客によってはきちんと締め切りまで余裕がある状態で依頼をしてくることもあります。
さらに依頼してくる顧客の業種によってもどのような仕事が入ってくるのか異なっているので、その点を見極めながらスケジュールを構成していく必要があるとも考えられているようです。
このため広告代理店への転職や入職を検討している場合は、その会社がどのような業種の顧客を相手にしているのかを事前に調査しておくのもおすすめされています。
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