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by小野進一 小野進一

【インハウスのグラフィックデザイナー】を徹底解説! 広告代理店・制作会社との違い

徹底解説シリーズ、今回はインハウスのデザイン職に注目です。デザイン職の転職で人気が高いインハウスのグラフィックデザイナーアートディレクター

「ワークライフバランスを整えられる」「収入が安定する」というイメージがあるようです。そこで、広告代理店や制作会社との違いを見ながら、インハウスのデザイナー職を徹底解説します。

グラフィックデザイナーの仕事

グラフィックデザイナーの仕事

グラフィックデザイナーは、主に平面で展開される印刷物のデザインを手掛けます

印刷物は雑誌、新聞など定期刊行物のほか、チラシ、POP、DMや名刺、変わったところではラッピングバスのデザインなども含めて、2次元空間でクリエイティブを発揮するのがグラフィックデザイナーの仕事です。

インハウスのグラフィックデザイナーとは

インハウスのグラフィックデザイナーとは、「メーカーなどの事業会社に属し、社内の制作物を担当するデザイナーとして働く人」を指します。

新卒でグラフックデザイナーとして入社することもあれば、広告代理店や制作会社で数年間経験を積んだ後、インハウスのグラフィックデザイナーやアートディレクターとして転職をすることもあります。

インハウスのグラフィックデザイナーの特徴

インハウスのグラフィックデザイナーの特徴

特徴1:労働時間

インハウスのグラフィックデザイナーは、主業務はもちろんデザイン業務ではあるものの、他の社員と同様の就業規則のもとで働くため、労働時間が大幅に長いということはあまりありません。

また、自社の制作物を担当するので、受託側(広告代理店や制作会社)にあるような「(クライアントの都合などで)急にスケジュールが変わる」ということも、あまりないと言ってよいでしょう。

福利厚生もしっかりしています。

特徴2:年収

事業会社に勤めるデザイナーは、企業の給与規定に従った金額が支払われるため、お給料は比較的安定していると言えるでしょう。

ただしこれは企業によって例外もあり、また、クリエイティブに力を入れている企業とそうでない企業でも違いがあります。

スキルや経験によっても差が出てくるので一概には言えませんが、20代で300~450万円30代以降なら450~650万円がおおよその年収額です。

各業種の最大手企業の場合、アートディレクターとして活躍するようになると金額が上がることもあるようです。

特徴3:制作物

インハウスのグラフィックデザイナーは、当然ですが、自社に関する制作物だけをひたすら制作し続けます

制作物は広告、プロモーション関連の制作物、会員向けの会報誌、パンフレット、社内報など、企業によってさまざま。

クリエイティブに力を入れている大企業は、インハウスのデザイナーが制作するものと、外注するものに分けることも。

また、インハウスのグラフィックデザイナーやアートディレクターと外部のクリエイターが協力して案件を進めることも、多くみられます。

特徴4:環境とスキル

小規模な企業の場合、社内のグラフィックデザイナーは1人だけ、というケースも多々あります

制作物を判断する人が自分だけなので、自分自身が経験することで学んでいく以外に成長の方法がありません。

また、自社の製品やサービスのみを扱うため、プレゼンテーションで競合会社と競うこともなく、新しく斬新なアイデアを生み出す機会が少ないのも特徴です。

ただし、大手企業が大きなプロモーションをする場合は、外部のクリエイターに発注することもあります。

そのハンドリングをするのは、インハウスのアートディレクターやクリエイティブディレクターであることが多く、クリエイティブの良し悪しを見極める力が求められます

この段階のハンドリングを誤ると、プロモーションに大きく影響を及ぼすからです。

中途採用で入社した場合はそれまでの経験が活かせますが、新卒でインハウスデザイナーとして働いている場合は、デザイン力やクリエイティブを見極める力を自力でしっかりと身につけておく必要があります。

広告代理店や制作会社との違い

広告代理店や制作会社との違い

広告代理店制作会社のグラフィックデザイナーは、さまざまなクライアント(事業会社)の制作物を担当します。また、コンペティションで競合他社と争うこともしばしば。

そのため、若手の時代から新しいアイデアや表現を提案する訓練をしているので、新しいアイデアを生み出す力を鍛えやすい環境です。

しかしその分、インハウスのグラフィックデデザイナーと比べると労働時間は圧倒的に長いでしょう。

クライアントの都合で突然スケジュールが変わり、明後日だったはずの提案が急に明日に早まるなどということは珍しくありません。こうした事態になると、残業時間が増えがちになります。

また、クライアントから夜に指示が入り、翌日クライアントが出社する時間に提出しなければならないというケースも少なくなく、その場合は深夜作業になることはやむを得ません。

デザイン力を鍛えることができるのと引き換えに、若手のうちはプライベートの時間がかなり削られてしまうこともあるようです。

プライベートを重視できるのはインハウスのグラフィックデザイナーデザイン力やアイデア力を徹底的に鍛えられるのは受託側(広告代理店や制作会社)のデザイナー

若手のうちは受託側で修業をして、数年後にインハウスに転職するというケースも多いようです。

インハウスのグラフィックデザイナーに転職するには?

インハウスのグラフィックデザイナーに転職するには?

まず大前提として、その企業の商品やサービスが好きであり、さらには企業理念に共感できなければいけません

その企業に所属している以上、常に同じ商品やサービス、考え方の魅力的な表現を求められます。

「同じ商品ばかりでつまらない」と思ってしまうようでは到底長続きしませんし、「会社の理念に共感できない」と思っていたら企業広告やブランド関連の制作物を担当することが難しくなります。

ワークライフバランスを整えたい、安定した収入がほしいという目的だけでインハウスのグラフィックデザイナーに転職したものの、仕事すること自体が苦しくなってしまったら本末転倒です。

転職を決める前に、その企業を本当に好きになれるかどうかをきちんと見極める必要があります

また、上記にもあるように、受託側での仕事に比べると新しいアイデアを生み出す機会が少なくなってしまうことも。

安定を重視するのか、徹底的なスキルアップを望むのか、ご自身がグラフィックデザイナーやアートディレクターとして今後どうなっていきたいのかをまずはしっかりと考えましょう

もしも、ご自分の今後のキャリアプランに迷っているのであれば、専門のキャリアコンサルタントに1度相談してみるのも選択肢の1つです。

自分のキャリアについてプロに相談してみることで、自分の市場価値はどの程度なのか?自分はグラフィックデザイナーに本当に向いているのか?などといったことを確認することができます。

キャリアの棚卸をしてみることで、今まで見えてこなかったものが見えてくるということもあるかもしれませんよ。

ただし、一般の転職エージェントですとグラフィックデザイナーの求人が無かったり、そもそもエージェントに知識が備わっていない可能性がありますので、転職を効率よく進めるためにも広告業界に特化した専門の転職エージェントを活用するのがオススメです。

例えばプロの転職では、広告、PR、デジタル業界に特化した転職支援サービスを無料で提供していますし、もちろんグラフィックデザイナーの求人もございます。

転職を少しでもご検討されている方は、是非お気軽にご利用ください。

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小野進一

小野進一

この記事を監修した人 小野進一 株式会社ホールハート CEO

大学卒業後、大手クレジット会社、日本最大手の企業信用調査会社を経て宣伝会議へ転職。同グループ内で人材紹介会社の創業社長、宣伝会議取締役を経て、2008年ホールハート創業。広告業界に強力な人脈を持ち、2万人以上の求職者支援の実績。これまでのキャリアを活かした他業界への転職支援実績も豊富。人材業界20年の大ベテランで、裏表のない人懐っこい性格からファンも多い。圧倒的な経験と情報量を裏打ちとした、「人」と「人」を繋げるマッチングが持ち味。一般社団法人マーケターキャリア理事を務めている。 受賞 第7回 日本ヘッドハンター大賞(2014年度) 広告 部門 MVP 第8回 日本ヘッドハンター大賞(2015年度) 広告 部門 MVP DODA Valuable Partner 2018 BEST CONSULTANT賞

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