これだけは知っておきたい「転職」の基本20選

17.転職理由がネガティブだとNG!?転職理由をポジティブに変える裏ワザとは

転職にはリスクが伴いますし、仕事や職場に本当に満足していれば転職をしたいと考えることもないので、転職理由はどうしてもネガティブなものになりがちです。退職を決意するにいたったネガティブな理由をそのまま伝えてしまうと、応募先企業にマイナスな印象を与えてしまいかねません。今回は、ネガティブな転職理由を伝えてはいけない理由や、転職理由をポジティブに変換させる方法をいくつか紹介します。

ネガティブな転職理由、そのまま伝えて良い?

転職理由は中途採用の面接でよく聞かれる質問の1つであり、面接管にとってこの質問は人材を見極めるための判断材料となっています。「人間関係が上手くいかなかった」「給料が低くてやる気が出なかった」など、ネガティブな転職理由をそのまま相手に伝えてしまったとします。すると、同じような状況に陥った時にまた辞められてしまうと面接官に思われるかもしれません。面接管は、長期間働いてくれる人材かどうかを見極めながら、誰を採用するか選んでいます。そのため、ネガティブな転職理由を伝え、「定着しない人」「逃げ癖がある」などのイメージを持たれると、面接で不採用になりやすくなってしまうでしょう。

物は言いようであり、表現を変えるだけでネガティブな転職理由をポジティブに変えたり、その意思を好意的に受け止めてもらえたりできることもあります。ネガティブな動機をそのまま伝えるのはやめて、 ネガティブな情報をポジティブな印象に変えるようにしましょう。

やってはいけない転職理由の伝え方

やってはいけないのは、噓の転職理由をでっち上げるということです。中には、ネガティブな転職理由を隠すために、強引にポジティブなものにすり替えてしまう人がいます。転職理由を隠したり、噓の理由を伝えたりすると、実際の行動と言動に矛盾が生じてしまい、「この人は何か隠している」と思われてしまうでしょう。採用担当者も、前職に何らかの不満や不安があったことは薄々気づいています。適当なことを言うと、面接管もなぜ辞めたのか、うちの会社を同じ理由で辞めないかを判断できなくなり、もやもやとした違和感を抱かせることになるのです。

面接官は「人を見るプロ」であり、その人が嘘をついているのか、何を隠しているのかを見抜く能力に長けています。一度嘘がバレてしまうと、面接で好印象を与えるのは難しくなります。転職理由を答える時に噓をつく必要はありません。本音を話し、やっていることにブレを感じさせない、整合性のある状態を目指しましょう。

転職理由を伝える時のポイント4つ

転職というのは働く目的と現状のギャップを埋める有効な手段の1つであり、転職をすることは本来悪いことではありません。前の仕事に対して何らかのネガティブな要素を感じているからこそ人は転職をするのであり、そのことは面接官もよく理解しています。問題なのは、ネガティブな理由をありのまま伝え、「この人を採用して本当に大丈夫なのかな」と面接官を不安がらせることです。転職理由は、伝え方を変えるだけ悪印象を持たれてしまうのを防ぐことができます。ここからは、転職理由を伝える時のポイント4つを紹介しましょう。

#シンプルでポジティブに伝える
ネガティブな転職理由をそのまま伝えると、聞き手はただの「不満」として受け取ってしまいます。これから自分がどうなりたいかや、退職に至るまでしてきた努力を伝えることで、不満ではなく「希望」として受け取ってもらえるようになります。また、面接では短い時間で話を伝えなければならないので、転職理由は回りくどい表現を避け、話はシンプルでわかりやすさを意識しましょう。

#悩みやギャップを変えようと努力したことを伝える
人間関係が悪化した時や給料が少ないと不満を感じた時、自身で改善や解決するため行動を起こしたならば、それを伝えるようにしましょう。ネガティブな転職理由があったとしても、問題の解決に取り組む姿勢をアピールすることで、「自分で解決に向けて動いたんだな」と、面接官から好意的に受け止められます。「上司に異動を提案したが、受け入れてもらえなかった」「人間関係の悪化を改善しようと自分から挨拶を心掛けたが改善が見込めなかった」など、現状を打破するために行ったエピソードがあるならしっかり伝えることが大切です。

#転職理由と企業の志望動機の整合性を持たせる
面接で転職理由を「人間関係」と答えているにも関わらず、平均年収が良い企業にばかり応募している場合、行動と言動に矛盾が発生していることになります。転職理由と志望理由に不整合が起きている場合、採用担当者としては違和感しか感じません。そもそも、人間関係が理由なのに収入アップだけを目指し、職場の雰囲気が悪い職場を就職先に選ぶと、入社してすぐに転職をしたくなってしまうかもしれません。転職理由と企業の志望動機の整合性を持たせることで一貫性が生まれ、言動や行動全てに説得力があるように感じられます。そして、整合性を保ち、転職理由と回答内容のミスマッチを防ぐためには、その企業についてや仕事内容についての情報をしっかり調べておくことが大切です。

#言わないことを決めておく
嘘をついてはいけないとはいえ、転職理由はすべてを洗いざらい話す必要はありません。転職する理由が複数あったとしても、理由やエピソードは1つに絞った方が、面接官も話を理解しやすくなるでしょう。転職理由は、応募企業へ転職することで解決されることに限定し、言うことと言わないことをあらかじめ振り分けておくことが大切です。余計なことを言って相手を混乱させたり、マイナス評価を持たれたりすることがないよう、言わないことをしっかり決めておきましょう。

ネガティブな転職理由をポジティブに変換する方法3つ

企業側が本当に知りたいのは、その人の転職理由ではなく、「うちの企業で活躍できるか」「すぐに辞めてしまわないか」という未来のことです。前職の不満を述べているだけでは、面接官の心を突き動かすことは不可能。ここからは、ありがちな転職理由をポジティブに変換する方法を3つ紹介します。

#職場の人間関係に疲れて転職を決意
転職理由を「人間関係が嫌だった」とストレートに伝えてしまうと、「周囲に合わない人がいればまた辞めてしまうのではないか」「コミュニケーション能力に問題があるのでは」と思われてしまいます。人間関係が悪いのが嫌ということは、言い換えれば周囲の人ともっと仲良くしたい、仲間と協力しながらもっと効率よく業務を進めたいという意味にもなります。面接官に「仲間と連携を図りながら仕事を効率よく進め、よりよい成果をあげていきたい」と伝えれば、仕事に対する前向きさと協調性をアピールすることができるでしょう。チームワークを大切にしたいということを上手に伝えることで、人間関係の悪化による転職だったとしてもネガティブな印象を与えず、面接官に良い印象を与えることができるようになります。

#給与が安すぎて転職を決意
転職理由を「給料が安いから」とそのまま伝えると、「お金のことしか考えてなさそう」「給料さえ良ければ仕事内容は他は何でもいいのか」とマイナスなイメージを持たれてしまいます。給与に対して不満が出るのは、仕事に対して日々真面目に取り組んでいる、もっと自分はやれるという自信があるからです。給与に対して不満がある場合、「自らの成果を正当に評価してくれる職場で働きたい」「自分のスキルを磨き、人として高みを目指していきたい」などとすれば、前向きな気持ちや、お金目当ての転職ではないということが伝わります。お金をたくさん稼ぎたい=仕事のモチベーションが高いという意味にもなります。給与への不満が転職理由だったとしても表向きには出さず、仕事に対する向上心や成長していきたいという意欲を上手にアピールしていきましょう。

#通勤時間の長さに耐えられず転職を決意
仕事場が遠ければ遠いほど自分の時間が確保できず、大きなストレスになり、やがて転職を考えるようになります。「通勤時間が長すぎるから転職したい」というのは、前の職場に対する不満や愚痴だと捉えられてしまい、印象があまり良くありません。通勤時間が原因だったとしても、「通勤の時間を自分のスキルアップの時間に使いたい」「通勤時間の労力の無駄をなくし、万全な状態で仕事に取り組みたい」と伝えれば、前向きな印象を与えることができるでしょう。もっと仕事に打ち込みたい、集中して取り組みたいなど、通勤時間が短くなることによる仕事のメリットを伝えることが転職理由を好印象につなげるコツです。

ネガティブな転職理由をポジティブに変換しよう

前の職場の悪口を言ったり、ネガティブな退職理由をストレートに伝えたりすると、面接官を不安にさせてしまいます。ネガティブな要素がつきもの転職理由は、言い回しを変えるだけでポジティブな表現に早変わりさせることができます。ネガティブな転職理由を、面接官が採用したくなるようなポジティブで前向きなものに変換するようにしてみましょう。

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