by小野進一
マーケターの年収はどれくらい?年収アップのために必要な能力とは
企業のマーケティングに携わるマーケター。
売上を大きく左右する、やりがいあふれる職種です。
専門性が高い分野で活躍するマーケターは、高収入を目指せる仕事の一つ。
この記事では、マーケターの年収や年収アップに必要な能力や、稼いでいるマーケターの特徴。マーケターの転職事情などを、くわしく解説いたします。
- 未経験でマーケターへの転職を考えている方
- マーケターへのキャリアステップとして、広告代理店に興味を持っている方
- オンライン・オフライン問わず幅広くマーケの経験を積みたい方
- 働き方を改善したい、給与を上げたい方
- 成長率の高い企業へ転職を検討している方
目次
マーケターとは?仕事内容や求められる能力
マーケターは普段どのような仕事をしているのでしょうか?
まずは業務内容と、求められる能力をチェックしてみましょう。
マーケターの仕事内容
企業は自社のため、従業員のため、売上を効率的にアップする使命があります。
その裏側には、マーケティングに基づいた、明確な戦略が不可欠です。
マーケティングの重要性は年々高まり、専任のマーケターを雇用する経営者が少なくありません。
マーケターの役割は、市場動向のリサーチと、顧客ニーズの分析です。
情報を集めた上で、マーケティング戦略を立案。企業の成長に貢献します。
リサーチだけなら誰でもできますが、マーケターは分析に基づいた戦略が求められるため、かんたんにできる仕事ではありません。
業界内外の幅広い知識や経験、独自の分析力、時代や業種・顧客に合わせた豊かなアイデアが求められます。
そもそもは、デジタル広告業界で注目を集めた職種です。
しかし現在は、業種を問わず、マーケターの存在意義が強まっています。
マーケターに求められる能力
マーケターには3つの能力が必要不可欠です。
それが、「市場洞察力」「情報収集力」「プレゼン力」です。
「市場洞察力」を使い、マーケターは市場を数値化。
集めたデータを基に、将来の展望を予測します。
「どの商品がトレンドに入るのか」
「今後衰退するのはどの業界なのか」
など、現在だけでなく未来を長期的に見渡す視野が大切です。
「情報収集力」もマーケターの需要なスキルです。
独自の情報源を確立しているマーケターは、さまざまな企業で優遇されます。
迅速かつ正確にデータを入手できるなら、マーケターに向いているといえるでしょう。
「プレゼン力」で、マーケターは人の心を動かします。
提案や戦略に価値があっても、実行できなければ意味がありません。
話し上手であることはもちろん、傾聴力や魅力的な資料を作成する事務能力など、幅広い能力が必要です。
デジタル広告業界って?どんな仕事をしているの?
マーケターはデジタル広告業界で誕生した、とお話ししました。
現在は違う業界で活躍するマーケターが増えていますが、それでもデジタル広告業界が主戦場という事実は変わりありません。
デジタル広告業界とは、いわゆる「インターネット広告」や「Web広告」に携わる仕事です。どのような部門があり、どのように動いているのか、これからマーケターを目指す方はぜひ知っておいてください。
企業にはたくさんの部門がありますが、マーケターが所属するマーケティング部門、
クリエイティブ部門、営業部門。基本はこの3部門が、主軸を担っています。
中でも、すべての業務の要になるのがマーケティング部門です。
マーケティング部門はクライアントの課題を分析し、克服するための戦略を立てます。
メディアとの連動を考えたり、コンペティションに通過するためオリジナリティを模索したり。深く広い知識を生かして、結果へ向かう最短ルートを提案します。
クリエイターが所属するクリエイティブ部門は、広告やWebサイトのデザインを担う仕事です。マーケティング部門のディレクションに基づいたデザイン、アイデアで集客につなげます。
最後に営業部門です。
営業は、クライアントと企業をつなぐ仕事です。
クライアントへのヒアリングから課題を見つけ、解決策を企画に落とし込みます。企画実行の際、マーケティング部門やクリエイティブ部門を仕切り、舵をとるのも営業の役目です。
企画の趣旨をクライアントが理解できるかどうか。
無事に契約できるかどうかは、営業の手腕にかかっています。
この3部門が上手に連携できている企業は、売上を伸ばしやすいといえるでしょう。
将来性あり!デジタル広告の重要性は年々高まっている
デジタル広告業界は、将来性の高さに注目が集まっています。
その理由に触れる前に、広告業界の変遷をみてみましょう。
広告業界の変遷
以前の広告業界は「マスコミ4媒体」のシェア率が圧倒的でした。
マスコミ4媒体とは、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌を指します。
これらの媒体向けに、各企業が相応の広告費を支払い、自社商品・サービスを訴求してきました。
公共交通機関や街中、店頭などのディスプレイを使った、デジタルサイネージも人気がありました。
ところが、スマホやパソコンの普及にともない、アプローチの方向性が一転。
デジタル広告費にお金をかける企業が、年々増加しています。
2018年3月、株式会社サイバー・コミュニケーションズと株式会社電通が発表した「2017年日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」によると、デジタル広告費はすでに、4媒体やプロモーションメディア広告費(チラシやDM、フリーペーパー、デジタルサイネージなど)を上回る勢いを示しているほどです。
この勢いは止まらず、今後も右肩上がりに上昇していくと予想しています。
デジタル広告が支持される理由
それではなぜ、これほどまでにデジタル広告が支持されるようになったのでしょうか?
理由は大きく2つあります。
1つ目は「広告の費用対効果」です。
デジタル広告は安価な掲載料や制作費にもかかわらず、不特定多数に情報を届けられます。
SNSなどで拡散されれば、営業努力をしなくても勝手に広告が広がります。
2つ目は、「情報公開のスピード」です。
デジタル広告は準備までの時間が短く、完成後はすぐにアップできます。
情報の鮮度が落ちる前に掲載できるため、ネットユーザーから受け入れられやすい点が特徴です。
スピーディかつ費用を抑えられるデジタル広告は、企業にとって欠かせないPR戦術なのです。
企業種別に紹介!マーケターの年収はどれくらい?
それではいよいよ、本題であるマーケターの年収に迫ってみましょう。
マーケターの年収は、働く業界や経験、能力によっても、大きく異なります。
それを踏まえて平均年収を出すならば、日本企業のマーケターで700~800万円程度。
外資系企業で3年以上のキャリアを積んだマーケターで500~800万円程度です。
キャリアが5年以上の場合は、800万円から1000万円程度。7年以上で1000万円から1200万円程度と高くなっていきます。
日系企業と外資系企業に差がある理由は、考え方の違いです。
外資系企業には能力主義の企業が多いため、知識やキャリアが買われます。
能力があれば、年齢関係なく高収入を期待できるのも、外資系を選ぶメリットです。
これらは企業の専任マーケターとして勤務した例になります。
Web広告代理店に勤務するマーケターは1~3年ほどのキャリアで300~350万程度。
5年以上で400~450万程度、リーダー職に就けば500万前後が目安です。
Webコンサル会社の場合は、キャリア1~3年で400~450万前後。5年以上で500万前後、リーダー職で600万前後と、やや高くなります。
コンサルティング業務は、専門性が求められるため、高度なスキルが必須です。スキルに見合った給料が提示されるため、Web広告代理店よりも年収が高くなっています。
このように、マーケターの年収は勤務先によって変わります。
より年収の高いマーケターへ転職したい、キャリアアップを果たしたいなら、これまでの経験やスキルを活かせる企業を探しましょう。
ここに注目!年収が高いマーケターの特徴3つ
マーケターの世界は実力主義です。逆にいえば、能力があるなら20代や30代でも、実力に応じた年収が用意されます。
年収の高いマーケターを目指すために、稼いでいるマーケターが備えている、3つの特徴をみてみましょう。
特徴1:知識量が多い
高収入のマーケターは、「知識量」が違います。
単にデータや数字と向き合っているだけでは、建設的な戦略は浮かびません。
データや数字を使った調査や分析など、情報を活かす専門知識があって、はじめてマーケターの仕事は成立します。年収の高いマーケターを目指すなら、統計学やWeb解析など、データを活かせる専門知識を身につけておくと有利です。
特徴2:プレゼン力が高い
先ほども、プレゼン力がマーケターに必要とお話ししましたが、プレゼン力が高ければ高いほど、年収に直結します。マーケターが優れた戦略を考えても、相手に届かなければ意味がないからです。
プレゼンする相手にマーケティングや広告の知識がない場合もあります。
どのようなクライアントや上司、取引先相手でも、分かりやすく説明できる、伝わる言葉や声のトーンを選べる、といったマーケターであれば、多くの戦略が受け入れられるでしょう。
特徴3:社内調整力がある
「社内調整力」を身につけているマーケターは、高い年収を得やすくなります。
社内調整力とは、計画進行や打ち合わせなど、必要に応じた課題に向き合い、解決に向かって行動できる力です。
よりスムーズにビジネスを進めるなら「PDCAへの意識」も大切にしてください。
PDCAとは、「Plan(企画)」「Do(行動)」「Check(評価)」「Action(改善)」の頭文字を合わせた言葉で、ビジネススキルの基本を表します。
何をしたら良いのか迷った時は、PDCAを繰り返すと、業務内容を改善できます。
年収アップに必要な対策をチェック
マーケターとしての年収をアップしたいなら、ただしい対策が必要です。
ぜひ取り入れていただきたい、3つの対策をご紹介いたします。
対策1:向上心を身につける
マーケターの仕事は、専門的な知識なしでは成立しません。
すさまじいスピードで変化し続ける市場傾向に乗り遅れないように、学びを止めてはいけません。
昔の知識しか持たない、学ぶ意識のないマーケターは、あっという間に時代から取り残されます。
マーケターとして入社が決まったら、教えられる前に最低限の知識やスキルを得ておきましょう。並行して、資格を取得しておくと大いに役立ちます。
おすすめは、統計検定やウェブ解析士試験、Webアナリスト検定などです。
知識が多ければ多いほど、キャリアを支えてくれるでしょう。
対策2:プレゼン力を上げる
再三お話ししている通り、マーケターにはプレゼン力が必須です。
人と話すのが苦手、緊張してしまう、という方もいると思いますが、日々のトレーニングで克服しておきましょう。
自分の声を録音して聞き返すと、欠点が見つかります。話し方講座などを利用するのも良い手段です。
トーク力だけでなく、資料を時間内に説明できる時間調整スキルも身につけておきましょう。普段から社内で積極的にコミュニケーションを取っておけば、会話力と社内調整力をアップできます。
コミュニケーションを通じて上司や同僚など社内に味方を増やすと、自分の提案へ会社全体が耳を傾けてくれます。
対策3:メモする習慣をつける
マーケターはアイデア勝負です。
思い浮かんだことはすぐ手帳やノートにメモする習慣をつけましょう。ふと思いついたキーワードが、大きなビジネスにつながる可能性があります。
待っているのではなく、つねにこちらから課題を探す姿勢も大切です。PDCAを意識して動き、着実な成長を目指してください。
Webマーケターは転職しやすい?マーケターの転職事情について
マーケターとしてキャリアアップを図るなら、転職が代表的な手段です。
業種によっては、転職で収入やポジションが下がってしまった。
会社を辞めた後、理想の転職先が見つからず、やりたくない業界に移らざるを得なかった……という例もありますが、マーケターについては比較的、未来が明るいといえます。
マーケティング業界全体が成長期にある今、さまざまな企業から需要があります。
SNSや動画配信サイトなど、新しいサービスやメディアがWebで次々に誕生している時代。だからこそ、経営者はどれの媒体を選ぶのが正解なのか、専門家の意見を求めています。能力の高いマーケターであれば、多方面から声がかかるはずです。
マーケターは「汎用性が高い」という強みもあります。
広告業界への転職が難しい場合でも。これまでに得た知識が生かせます。
服飾業界であっても、食品業界であっても、商品やサービスを売る仕事であれば、スキルを活用し続けられる点がメリットです。
マーケターを必要としない業界は、ほとんど存在しないといっても過言ではありません。
これまでマーケターを必要としていなかった企業も、その価値を認識しはじめています。
つまりマーケターにとって転職は、完全に「売り手市場」です。
マーケター経験者であれば、余裕を持って自分に合った転職先を吟味できるでしょう。
高年収の可能性もあるマーケターを目指そう!
デジタル広告の重要性が高まる現在。
マーケターの価値は、上がり続ける一方です。
これからさまざまな業種がWeb展開へ参入し、マーケターの需要も増えていくでしょう。
専門的な知識、スキルが求められるマーケターは、高年収につながりやすい仕事です。まずはキャリアを積んで、さらなる好条件での転職を目指してみてください。
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