by小野進一
デジタルマーケターに求められる役割と必要な性質とは
スマートデバイスの爆発的な普及によるマーケティングの変化
スマートデバイスが爆発的に普及したことによって、企業におけるマーケティングの取り組み方も大きく変容を遂げました。欧米から始まり、今もなお発展を続けているデジタルマーケティングのテクノロジーは、海外の国々を超えて日本にも普及。
現在は多種多様なメディアを通じて「デジタルマーケティング」という用語を耳にする機会も増ています。
デジタル時代に活用されるマーケティングでは、マーケターは一社の総合広告代理店に頼るだけではなく、専門性を備えた様々な分野のパートナー企業と緊密に連携する必要性が生じてきました。
デジタル時代のマーケターに必要とされるのが、専門性を有するパートナー企業を適切に束ねてチームを構築し、プロデューサーとしての能力を発揮していく役割です。
デジタルマーケティングは、インターネット上に存在するデジタル広告やサイト、メールやモバイルアプリなど各種のチャネルを介して製品およびブランドに関するプロモーション施策を行います。
顧客の反応をデータにして蓄積し、活用することによってマーケティング業務を高度化し、顧客との繋がり(エンゲージメント)を強めていく仕組みづくりです。
デジタルマーケティングを強化することで、企業は顧客の興味関心の度合いを可視化し、状況に応じて効果的なプロモーション施策を行えるようになります。
一方、デジタルマーケティングが一般に流通し始めた結果、従来のWebマーケティングと混同されるケースも少なくありません。
デジタルマーケティングをWebマーケティングと比較した場合の大きな相違点は、活用できるデータの種類およびチャネルの違いです。
Webマーケティングは主として企業が運営するWebサイトに特化した手法で、Webサイトのアクセス履歴を活かして閲覧しているユーザーの満足度を上げたり、サイトへのユーザーの流入を増やすことが目的です。
これに対してデジタルマーケティングでは、Webサイトのアクセス履歴だけでなく、スマートフォンあるいはタブレット端末で提供されるアプリも活用。
さらにはIoTによって収集されるデータも応用しながら、各チャネルにおいて顧客の体験価値をアップさせることを狙いとしています。
デジタルマーケティングと一口に言っても、デジタルマーケティング関連の業務内容は多岐に亘ります。ウェブ広告をはじめ、自社サイトや自社メディア、ウェブ制作やマーケティングツールの運用など様々です。
その上、日々新たな技術およびサービスが誕生しているため、デジタルマーケティングに必要な人材に要求されるスキルも、現時点で特に定められている訳ではありません。
デジタルマーケーターは「好奇心」が必要
では、具体的にどのような人材がデジタルマーケティングの業務に向いているのでしょうか。まず最初に必要になるのが、色々なものに対する好奇心です。
この分野では新しいツールや新たな概念が次から次へと登場しますので、常に自分の知識をアップデートし続けなくてはいけません。新しいものが好きで、新しいものを楽しめる精神が大切です。
また、世間で流行っているものやサービスに関して、それがなぜ消費者の関心を集めているのか、どんな層の消費者に人気が高いのか、様々な視点から興味を抱く人が向いているでしょう。
また、消費者心理についての興味関心も必要ですし、施策を検討していく時にはバランス感覚も重要です。 例えば、ある製品を購入した1時間後に、購入したことに対する御礼の通知をアプリを介して届ける施策を行うとします。
その際、「この施策は消費者にプラスの感情をもたらすのか、その逆になるのか」という問いへの答えは、対象になる消費者の志向あるいは属性などに応じて変わってくるでしょう。
自社や自分自身の視点だけでなく、想定している消費者からどう思われるのか、その人の友達や家族はどう感じるのか、多様な視点から物事を考えるスキルが求められます。
デジタルマーケティング領域のスキルを勉強しようとする場合には、基礎知識に加えて専門のノウハウが必要です。
まず、マーケティングに関する基礎知識を横断的に習得すること。これを身に付けると、新しいトレンドや技術などを自分でキャッチアップできるようになります。
同時に、これまで経験してきた実務で培った技術や、興味を抱いている分野について専門性が高いノウハウを集中して学ぶことが必要です。
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