byプロテンMZ編集部
【ハウスエージェンシー】を徹底解説! 総合広告代理店との違い
ハウスエージェンシーと総合広告代理店、同じ広告代理店ではありますが、実は大きな違いがあります。
そして、あまり知られていませんが、実はハウスエージェンシーは世の中にたくさんあるのです。
この記事では、ハウスエージェンシーについての解説、年収や労働時間、ハウスエージェンシーへの転職事情などについてお話します。
- 現在の代理店より大きな予算・大手ナショナルクライアントと仕事がしたい方
- 事業会社でマーケの知見を活かしたい方
- オンライン・オフライン問わず幅広くマーケの経験を積みたい方
- 働き方を改善したい、給与を上げたい方
- 未経験から広告業界への転職を考えている方
目次
ハウスエージェンシーとは?
ハウスエージェンシーとは、特定の事業会社(親会社)の広告事案を専属で行っている会社を指します。
企業グループの組織内で行うことを英語で「in-house」と呼び、その組織内のグループ会社の広告をメインで担当する代理店という意味で、「ハウスエージェンシー」と呼ばれるようになっています。
大企業の広告宣伝部が、独立分社化して「ハウスエージェンシー」となるケースが多く、基本的には特定の事業会社からの案件がメインです。
しかし中には、ジェイアール東日本企画や東急エージェンシーのように、ハウスエージェンシーであっても他社の案件も引き受け、総合広告代理店のような企業もあります。
下記は、メーカーのハウスエージェンシーで代表的な企業です。
- 株式会社デルフィス(トヨタ自動車)
- 株式会社ホンダコムテック(本田技研王業)
- 株式会社アイプラネット(三菱電機)
- 株式会社フロンテッジ(ソニー)
また、鉄道系ハウスエージェンシーで代表的な企業としては以下があげられます。
- 東急エージェンシー
- ジェイアール東日本企画
- 京王エージェンシー
- 小田急エージェンシー
実は、日本の広告代理店には、かなり多くのハウスエージェンシーが存在しています。大企業のほとんどが、ハウスエージェンシーを有していると言っても過言ではないでしょう。下の広告代理店の売上ランキング表の青枠で囲った会社は、全てハウスエージェンシーです。
ランキング上位の企業が、総合広告代理店であるため意外と気づかれないのですが、1位から20位のランキングの中でも8社ありますので、業界内でもそれなりの割合をハウスエージェンシーが占めていると言えるでしょう。
では、ハウスエージェンシーと総合広告代理店、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
総合広告代理店との違い
同じ広告代理店ではありますが、ハウスエージェンシーと総合広告代理店にはそれぞれ異なる特徴があります。
総合広告代理店の特徴
総合広告代理店は、さまざまな業種のクライアント(事業会社)と取引をしており、代理店によっては、担当チームを変えて同業種のクライアントを数社持つこともあります。
また、あらゆるメディアを取り扱っていますので、クライアントの課題解決に合わせ、広告戦略を立てることができますし、クライアントの希望に応えることもたやすく行っています。
各種メディアを連携させたようなプロモーションの企画も可能であることが、広告業の醍醐味を感じられる総合広告代理店の魅力にもなっています。
もちろん、過去の実績からさまざまな業種の中で成果を出すためのノウハウも豊富に有していることから、予算に応じた広告戦略も展開可能です。
ただし、日本の場合は、ひとつの事業会社がひとつの広告代理店だけにプロモーションを依頼するばかりではなく、ブランド別、媒体別に数社の各広告代理店を使い分けて依頼することがあります。
また、企画と制作力が重要視されるキャンペーンプロモーション案件などでは、コンペティションを行い、担当する広告代理店を決めることも多くあります。
そのため、総合広告代理店は常に他社より優れた戦略、新しいアイデアを提案しようと試行錯誤し、競い合う必要があります。
ハウスエージェンシーの特徴
ハウスエージェンシーは、プロモーションを行ううえでの手順は総合広告代理店と同じですが、発注する事業会社側から見た場合のメリットが違います。
ハウスエージェンシーは、特定の事業会社専属の広告代理店であるため、総合広告代理店に依頼した際に発生する仲介手数料や制作管理費などをかなり削減可能です。
また、企業理念や、サービス・製品について熟知しているため、毎回違った広告代理店にオリエンテーションをするよりも意思疎通がスムーズで、発注作業の時間も短縮できます。
ただし、ハウスエージェンシー側は、コンペティションを行わずとも案件を受注できるケースが多いため、ルーティンな作業での広告展開に流れやすく、斬新なアイデアで勝負するような企画案が出にくいことや、インハウスな存在のため総合広告代理店に比べ客観的視点が弱まるといったデメリットもあります。
ハウスエージェンシーの年収と労働時間
専属の事業会社に問題がない限り、ボーナスをカットされるということは少ないようです。
ハウスエージェンシーに勤務する人の年収は、親会社(資本元の企業グループ)の水準も加味される場合がありますので、親会社の給与水準から大きく離れた金額になることはあまり考えられません。
そこで、親会社となる企業の大まかな年収水準から判別しますと、ハウスエージェンシーの年収は、20代で約400万〜600万、30代では約500〜700万以上の会社が多いようです。
就職・転職するときは、親会社の年収水準を確認し、目安にされることをおすすめします。また、ハウスエージェンシーに勤務すると、親会社の制度や充実した福利厚生なども活用できますので、こうした部分もハウスエージェンシーの魅力的な特徴です。
※プロの転職調べ⇒ハウスエージェンシーの中には、就業時間を親会社(専属の事業会社)に合わせている会社もあります。
ハウスエージェンシーの場合、総合広告代理店のようにコンペのオファーがあまり無いこともあり、残業時間なども少なく比較的緩やかに業務を行えるのではないかと考えられます。
つまり、労働時間が総合広告代理店よりも比較的短く、その分働きやすい環境が期待できるようです。
ただ、そうは言うものの広告業務ですから、毎日定時で帰るという生活を送ることは難しいでしょう。
とくにクリエイティブ職は、緊急対応などによって長時間労働や休日出勤がやむを得ないこともあります。
【参考記事】収入もプライベートも大切。ワークライフバランスは成り立つか?
ハウスエージェンシーへの転職
総合広告代理店へ転職する際に求められるのと、同様のスキルが求められます。
また、クリエイターであれば、ポートフォリオの保持は必須です。
基本的には広告業界の経験、もしくはそれに近い経験をしていることが必須となりますが、第二新卒の場合、前職の経歴によっては未経験でも採用されるケースもあるようです。
【良いポートフォリオを作れるようになるには?気になる方はこちらをチェック】
ポートフォリオのここでわかる!グラフィックデザイナーのキャリアを決める「デザインの目」
ハウスエージェンシーは、広告主にあたる事業会社が大手企業であることが多く、大きな案件に携われる可能性があります。
さらに、専属の事業会社以外の案件を行うハウスエージェンシーもあることから、会社によっては同じ企業の商品やサービスだけでなく、さまざまな業種の案件に関わることも可能です。
そうは言っても、専属の事業会社からの案件が多いことが大前提にありますので、さまざまな企業の案件を担当したい場合は、東急エージェンシーのように総合広告代理店化しているハウスエ―ジェンシーを選ぶか、総合広告代理店へ転職することをおすすめします。
また事業会社によっては、
- CMだけは大手総合広告代理店に依頼をする
- 特定のクリエイターに依頼をする
このようなこともあり、「事業会社の広告全てをハウスエージェンシーが担当している」とは言い切れない現実があります。
「あの有名なCMの制作に携わりたい」と思っても、そのプロモーションはハウスエージェンシーでは担当していない可能性もありますので、転職をする際には、あらかじめ調べておくことをおすすめします。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ハウスエージェンシーは、大手企業の直接的な傘下にあるため、勤務時間が短いことや安定しているなどのメリットがある反面、革新的なアイデアに舵を切れないなどの特徴もありました。
もし、ご自分で調べきれない場合は、ぜひ転職エージェントに相談してみてください。
特に業界特化型の転職エージェントは、企業から定期的にヒアリングを行い最新情報をアップデートしているので、どの企業がどのようなプロモーションを担当しているのかよく知っています。
私たちプロの転職もそのうちのひとつですので、転職についてお悩みでしたら、ぜひご相談にいらしてください。
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