これだけは知っておきたい「転職」の基本20選
12.転職活動における応募数はどれくらいが適切?応募数を増やすメリットや注意点なども解説
転職活動の際、適切な応募数はどのくらいなのか、気になる人もいるのではないでしょうか。この記事では、このような疑問を解消し転職活動の参考にできるよう、適切な応募数やケース別の平均的な応募数などを紹介します。応募時のメリットや注意点などにも触れているため、自分の活動状況などを照らし合わせて応募数を決めてみましょう。
転職者の平均応募数
平均応募数と一口に言っても年齢や職種、地域など条件ごとに数は違います。転職活動時の参考にする際は、自分の条件に当てはまっているデータを参考にする必要があります。転職サイトやエージェントサービスを提供している企業の調査によると、年齢別の平均応募数は20代で23社、30代が18社、40代は14社です。年齢を重ねるごとに、平均応募者数は減少傾向にあります。過去の経験や実績、持っているスキルなどが30~40代は豊富なので内定を取りやすく、平均応募数が少なくなっています。
職種別で見た場合、最も多いのが事務やアシスタント職で25社、次いで営業やサービス職がどちらも24社です。医療などの専門職は13社、機械や建築などの技術職では14社となっています。専門性が高く、特殊な資格やスキルを必要とする職種ほど平均応募数が少ないです。資格やスキルを必要とするため転職先として選ぶにはハードルの高く、応募数も減少傾向にあります。地域別で見た場合、関東が22社と最も多く、関西が19社、東海で17社です。九州や沖縄では13社となっており、人口の多い地域が平均応募数も多くなっています。関東や関西は企業の数も多いので、転職先の選択肢もその分多くなります。
応募数が多いことのメリット・デメリット
応募数を増やすということには、メリットとデメリットが存在します。それぞれを理解して、転職を成功に導きましょう。
#応募数を増やすメリット
応募数を増やすことで得られるメリットの1つは、より多くの企業を知り、自分とマッチする就職先を探しやすくなることです。求人を出している企業の採用HPや募集要項などには応募するうえで必要な情報がいくつも掲載されています。しかし、限定的な情報しか掲載されていないことも多く、社内の雰囲気や社員の人柄などは把握できません。実際に面接へ足を運んで初めてわかることもあります。応募数を増やすと複数の企業と接点を持つことができ、書類選考を通って面接を受けられれば会社の中身をより深く知ることができます。企業とのマッチング度を上げたい場合は、応募数を増やすことも検討しましょう。
また、複数の企業で選考を受ければ、自分のプレゼン力やアピール力を向上させることもできます。普段からあまり自己主張や自己アピールがうまくできない人の場合、面接で上手に話すのは難しいです。本命となる企業から内定をもらうためには、苦手なことであっても積極的に自分をアピールして、採用担当者に興味を持ってもらう必要があります。そのためには、場数を踏んで面接に慣れることが大切です。応募数を増やせば複数の企業で面接を受けられるチャンスが生まれ、場数を踏んでいくことでプレゼン力やアピール力の向上に期待できます。
#応募数を増やすデメリット
応募数を増やすことで生まれるデメリットは、スケジュール管理が大変になる、応募企業ごとの対応が薄くなるといったことです。面接の日程調整は自由に決められることも多いですが企業側の都合上、日にちが限定されるケースもあります。このようなケースが重なると、1週間のうちに何件もの面接が入ってしまう、1日に2件以上の面接が入るなど、スケジュールに余裕がなくなってきます。面接は事前の準備も多いので、複数の企業へ応募する場合は余裕を持ったスケジュールを心がけましょう。
また、採用選考を受ける際は企業研究が必要です。理念や事業内容、提供されているサービスなどを慎重に調査して、面接でスムーズに受け答えできるよう準備しておかなければなりません。しかし、応募数が増えると企業研究に費やせる時間も限られてくるので、対策が疎かになる恐れがあります。企業ごとの対応が薄くなってしまっては、内定へつながりにくくなるので、十分に時間を確保することが重要です。
転職活動における適切な応募数とは?
転職者の状況や目的などによって適切な応募数は変わってきます。応募数が平均よりも多いことで転職活動しやすいケースとしては、以下の3つがあります。
- ・企業毎の条件や職務内容などを比較したい
- ・短期間(1カ月~2カ月以内)で転職活動を終わらせたい
- ・キャリアやスキルに自信がない
特に、これまでのキャリアや経験、スキルなどが少なく自信のない20代の転職者は応募数を平均以上(15~20社程度)に増やすことを検討しましょう。将来性やポテンシャルに期待してくれる企業が見つかりやすくなります。
中途採用者を募集している企業は即戦力となる人材を探していることが多いです。キャリアやスキルを中心にチェックされるため、これらのポイントに自信のない人は応募数を絞って転職活動していると内定につながりにくくなります。しかし、人柄や社風に合うかどうか、将来性などを重視して見てくれる企業も存在するので、このような企業と出会える可能性を少しでも上げるために応募数を増やすことは大切です。また、応募数を抑えるべきケースとしては、以下のようなものがあります。
- ・同じ業種や職種への転職
- ・現職の仕事が忙しい
- ・転職時の条件にこだわりがある
同じ業種や職種への転職の場合、経験やスキルを十分にアピールできるほか、条件や待遇面なども把握できるため応募数を増やす必要はありません。さらに、どうしても譲れない条件がある場合、応募数をむやみに増やしてしまうと条件がブレてしまう可能性があります。しっかりと軸を持って転職活動を進められるのであれば、応募数は7~8件程度にすることも検討しましょう。内定を取れている応募数の割合としては、平均7~8社への応募で内定1社です。この応募数を目安に、内定を取れる割合がこの数値を下回っている場合は、応募数を増やしてみましょう。
応募数を決めるときの重要なポイント
大手の転職エージェントなどでは、条件が合えば、少しでも興味がわけばといった理由でどんどん応募すべきと指導されることがあります。一方で、スキルや経歴だけでなく、人間性や人柄などの部分にフォーカスしてピンポイントでの応募を勧めるエージェントも存在します。おおよその応募数を決める際は、単純なメリットやデメリットだけでなく、どちらの方法にどのような特徴があるのかを理解することも大切です。さらに、自分の指向や相性なども大切にして、応募数を決めていきましょう。
応募数を決めるときの3つの注意点
転職活動を成功させるためには、応募数を決めるときにも注意しなければならないことがあります。具体的な3つの注意点を見ていきましょう。
#むやみに応募数を増やさない
職活動では応募数をとにかく増やせば、内定につながるというわけではありません。大切なのは、応募する理由を明確にして、書類選考や面接の質を高めることです。まずは転職活動における優先順位をつけていきましょう。転職の方向性をいくつか決めて、その中で興味のある企業をざっくり選定します。そして、選定した企業の中から自分の優先順位(待遇面や職務内容など)が高いところへ応募していきます。これにより応募する理由が明確になるほか、入社意欲の高い企業にのみ応募することが可能です。とにかくたくさん応募するというのは、応募数だけが増え自分の負担が大きくなるというリスクが発生するので注意が必要です。
#1社や2社だけには絞らない
応募数をむやみに増やさないからといって、絞りすぎるのも問題です。応募数が少なければ準備にじっくりと時間をかけられますが、必ず内定をもらえるわけではありません。効率的に転職活動を進められない恐れがあるので、最低でも5社程度は応募しましょう。また、応募数が少ないと、条件を比較検討できなくなってしまいます。いくつかの企業へ応募することで企業同士の条件を比較検討し、自分に合ったところを探しやすくなります。
#応募数を増やす際は選考スケジュールもチェック
いくつかの企業へ応募し手応えを感じられない場合は応募数を増やす必要があります。このとき、次に応募する企業の選考スケジュールをチェックして、気になる企業は全て応募できるようにしましょう。企業ごとに書類提出の期限や面接スケジュールは決められています。複数の企業へ応募する際、これらのスケジュールが被ってしまうと、選考を進めない企業が出てくる可能性があるので注意が必要です。
応募数の決定は慎重に!
転職活動中の応募数には特に決まりはありません。そのため、何社でも自由に応募することができます。しかし、むやみやたらに応募してしまうと、スケジュールに余裕がなくなり自分の負担が大きくなるほか、本命の企業に関する研究が疎かになる恐れもあります。応募数は7~8社程度を目安にして、転職活動を進めていきましょう。
次の記事 >> 転職希望者は注目!中途採用面接で知っておきたい基本とは!