これだけは知っておきたい「転職」の基本20選
9.転職時の志望動機・自己PR文の書き方のコツは?
転職活動をするにあたって、履歴書の自己PR文や志望動機は企業が求める人物像をイメージしながら書く必要があるので、なかなか書けないと悩んでいる人は多いでしょう。そこで、採用担当者の目に留まる自己PR文・志望動機の書き方のコツはあるのでしょうか。この記事では、転職活動時の応募書類を書く際のポイントについて解説します。
そもそも自己PRと志望動機の違いって?
履歴書を書こうと思っても、自己PRと志望動機の欄に書く文章の内容が被ってしまうという人は多いです。そこで、そもそも自己PRと志望動機の欄はどんなことを書くためにあるのか確認しましょう。まず志望動機の欄に書くのは、応募先の企業に入社したい理由と入社して頑張りたいことです。ここではしっかり企業分析をしたうえで応募しているかという点が見られます。それに対して自己PR欄は自分の仕事に対する考え方や実際に仕事で出してきた結果を書きます。この部分では応募者の性格や仕事に対する考え方が企業理念などと一致しているかを判断する基準としてチェックされます。
志望動機の「入社して頑張りたいこと」と自己PR欄に書く内容は被ってしまいやすいです。そこで志望動機と自己PRで各内容に差をつけてわかりやすい内容にするためには、基本的に志望動機に書くのはこれから頑張りたいことなど未来のこと、自己PR欄に書くのは自分が経験して学んだことなど過去のことに基づく内容を書くのが良いでしょう。また、志望動機と自己PRの内容が無関係なものだと、応募者がどのように企業に貢献できる人間なのかなどをイメージしにくくなってしまいます。したがって、志望動機と自己PRは内容が繋がるように書くのがおすすめです。
また、基本的に採用担当者は履歴書の次に職務経歴書を読みます。そして、履歴書に関しては様式によって異なりますが、自己PR欄の下に志望動機を書く欄が用意されていることが多いです。そのことを考えると、採用担当者は自己PR欄を先に読むので、この点を把握したうえで文章を構成するようにするとより読みやすい志望動機・自己PR文に仕上がるでしょう。
自己PRと志望動機はどのように書けば良い?
それでは、具体的に自己PRと志望動機はどのように書けば良いのか見ていきましょう。
#自己PR文を書く際のポイント
自己PR文では自分が担当してきた仕事はどんな仕事なのか、今までどんなことを評価されてきたのかということを中心に書いていきましょう。そこで自己PR文をよりわかりやすいものにするためには、キャリアの棚卸しをして、今まで自分がどんな仕事をして、どんな実績を出してきたのか振り返ってみるのがおすすめです。ただし、今まで培ってきたスキルの全てが応募先の企業にとって必要なスキルとは限りません。そこで、応募する求人を見て、どんなスキルを持った人材が求められているのか確認しましょう。
この作業が終わったら、自分の強みを整理していきます。具体的には、自分自身の性格に関する強み・他人とのコミュニケーションにおける強み・仕事をするうえでの強みと3つの強みに着目して自分の強みを整理していくのがおすすめです。まず自分自身の性格に関する強みとは、我慢強い・ポジティブ・常に冷静でいられるなどといったものが挙げられます。いくら仕事ができたとしても、他の人の仕事に影響をきたすような性格であってはいけません。そこで、他の人に良い影響を与えられる性格であることをアピールしましょう。
次に他人とのコミュニケーションにおける強みとは、協調性がある・親しみやすい性格とよく言われるなど、人と一緒に仕事をするにあたって求められるコミュニケーションスキルのことを言います。ただリーダーシップを取って周りの人と協力して仕事ができるというだけでなく、リーダーのサポートをするのが得意ということでも良いです。自分が人と関わるにあたってどんなことを大切にしているか、仕事場で関わる人とはどのようにコミュニケーションを取っているかなどを考えて、自分のコミュニケーションの面における強みを見つけましょう。
仕事をするうえでの強みとは、色々なことを経験してきた中で自分が取得したスキルや、普段から仕事に取り組むにあたって大切にしていることが挙げられます。具体的には、計画的に物事を進めるのが得意・時間をかけてでも正確に仕事をするように心がけているなどといったものです。これらの3つの強みを整理していくと、自分がどんな人間か、社会人としてどんな強みを持っているのかなどといったことが見えてきます。そしてある程度自分の強みが把握でき、特にどの強みをアピールしていきたいかはっきりしたら、自己PR文を書き始めましょう。
自己PR文に関しては、「信条(仕事において大切にしていること)」「具体例(信条をもとに具体的にどんな行動をとっているか)」「成果(実際にその行動によってどんな成果が出たか)」というように流れを意識して書くことが大切となります。また、ここに書いた内容は志望動機の欄に書く文章にも繋がるので、自己PRに書きたいことも意識したうえでまとめましょう。
#志望動機を書く際のポイント
志望動機は基本的には「どうしてこの企業に転職しようと思ったか」という点について書く部分です。そのため、志望動機を書くにあたっては、企業の規模や企業理念などを調べて共感できる部分を見つけ、それを自分が転職したい理由に結び付けましょう。「ただ企業の理念のこのような部分に共感した」という内容なら誰でも迷うことなく文章を書けます。しかし、そのような内容だとありきたりな内容になりがちで、「どうしてこの会社を希望しているのか」という点が伝わりにくいので、「自分にしか書けない志望動機を書く」ということを意識しましょう。
また、志望動機に書く「これから頑張りたいこと」に関しては、自己PR文に書いた過去に頑張ってきたことや自分の強みをもとにどのように企業に貢献できるかを記載します。この部分ではできるだけ前向きな内容を書くようにしましょう。ある程度志望動機に書きたい内容がまとまったら、いよいよそれを文章にしていきます。「応募企業が持っている強み」「自分が持っているスキルを活かせる場面」「入社してやってみたいこと」の3点が志望動機を書くうえでのポイントであり、この3点を押さえた文章を心がけましょう。
自己PR文・志望動機を書くうえでの注意点
自己PR文・志望動機を書くうえではいくつか注意点があります。注意点を把握せずに履歴書や職務経歴書を提出してしまうと、気づかない間に企業に対して悪い印象を与えてしまう可能性があるので、しっかり把握しておきましょう。
#できる限り自己PR文・志望動機は最後の行まで書く
自己PR文や志望動機の文章が短すぎると、企業に対してあまり興味を持っていない、転職に対するやる気が伝わってこないなどと勘違いされてしまう可能性があります。基本的に自己PR文や志望動機の文章は200字~600字程度が目安と言われており、それぞれの記入欄のサイズに合わせて、できる限り空欄が無いように書いて応募先の企業にやる気が伝わるようにしましょう。目安としては記入欄の8割程度を埋めることを意識すると良いです。
#内容は具体的に
書類選考において、採用担当者は文章だけで応募者のイメージを把握しなければいけません。そこで、志望動機や自己PRの欄に書く内容が曖昧だと、どのような経験を積んできたのかなど人物像が伝わりにくくなってしまいます。したがって、自己PR文や志望動機は実体験を交えて描くことを意識しましょう。
#文字は丁寧に
日本の就職活動においては、履歴書は原則手書きとなっています。そこで、自己PR文や志望動機などたくさん文字を書かなければいけない部分は字が汚くなってしまうこともあるでしょう。しかし、採用担当者が読めないという事態は避けなければいけません。それに、字が下手だとしても、丁寧に書いていることが伝われば、良い印象を与えることができます。したがって、自己PR文・志望動機は丁寧に書くことを心がけましょう。
ただし、IT企業や外資系企業など最先端の情報を積極的に取り入れている企業の場合、そもそも「手書きの履歴書でなければいけない」という考え方が古いとされていることもあります。そのため、企業のスタイルに合わせて、手書きではなくWordなどで書いた履歴書を用意するなど工夫をすることも忘れないようにしましょう。
自己PR文・志望動機は自分をアピールする大事な手段!しっかり準備して転職を成功させよう!
採用担当者はたくさんの応募書類を1日にチェックするので、履歴書や職務経歴書の自己PR文・志望動機欄は、パッと見た際に目に留まるような内容にすることが転職を成功させることに繋がると言えます。そこで文章に自信がない場合は、転職エージェントなどを活用して添削してもらうなどして、自分がどんな人間か、企業にどのように貢献できるかなどをアピールできる文章を書きましょう。
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