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業界ナレッジ

by小野進一 小野進一

広告代理店勤務の年収は、生涯グラフで2回3回の山を描く事が可能か?

広告業界はテレビや新聞、雑誌といった各種メディアを主なビジネスパートナーとしています。

そのため世の中へのアピール度が高く、就職活動をしている学生や転職を考えている社会人にとって、人気の高い注目業種となっています。 

人気の理由のひとつに年収が高い点がよくあげられますが、ややイメージが先行している感が否めません。

実際に年収が平均より高い傾向にあるのは事実ですが、残業との兼ね合いや大手と中小の違いといった細かい点に着目しながら、広告業界の年収事情を少し詳しく見ていきましょう。  

年収を見るうえでの二つのポイント

広告業界の年収を見ていく時に、二つのポイントを押さえておく必要があります。「裁量労働制」と「大手と中小の違い」がそれです。

この二点は、他の業界との差がはっきり見られるポイントなので、年収を含め広告業界を理解する助けになるはずです。  

実際の労働時間が給与に換算されない裁量労働制は、年俸制と言い換えることが出来ます。プロ野球選手やプロサッカー選手が貰っているのが、よく知られているでしょう。

スポーツ選手ほど極端に高額ではないものの、広告業界、特に大手広告代理店では、この裁量労働制が一般的です。  

30代になると給与の額が変わってくる!?

20代で働き始める最初の数年間は、他の業界と同じように、同期社員がおおよそ一律の給与を貰っています。

しかし、数年後には裁量労働制に徐々に移行していき、部署にもよりますが、30歳ごろにはそれぞれの社員が違う額の給与を受け取るようになっていくのです。

年功序列や横並び型の給与方式が根強い日本の中では、珍しいシステムと言えるでしょう。   裁量労働制の特徴のひとつに、残業代が発生しない点が挙げられます。

これは一見すると、働く側に厳しい環境です。しかし冷静に見ると、広告業はテレビCMであれ雑誌媒体であれイベントプロデュースであれ、必ず期限(締切)がある仕事です。

その期限は自分たちではなくクライアントが決めますから、「今日は終業なのでその仕事はまた明日」とは言えません。

つまり、”仕事が終わるまでが労働時間”が広告業界の本質的な業務態勢なのです。

裁量労働制はこうした広告業界の体質に向いているため、横並び型の多い日本社会にあっても早期から取り入れられ、現在に至っています。

他の業界と比較すると、残業代が出ない・残業が多いといった点は目立ちますが、反面、出社時間に自由度が高かったり、まとまった休みを取りやすいプラス面もあります。  

このように、広告業界の給与制度が独特であるのを、まず踏まえておくべきでしょう。  

次に、大手広告代理店と中小代理店の違いについて

世界に目を向けると、広告業界は多様な中規模企業が乱立しているのが一般的です。日本のように、広告に関する全ての業務を引き受ける大手代理店がある国は、多くありません。

日本の大手代理店も、子会社や下請けのグループ企業を抱えているので、実態は建設業のゼネコンに近いスタイルといった方がいいでしょう。  

公表されている大手代理店の年収は、20代から50代まで全ての年代で、日本の平均年収を上回っています。大手と言われるトップ10くらいまでなら、2倍から2.5倍になる企業もあるようです。  

では、それ以外の中小代理店になるとどうなのでしょうか。中小代理店は他国のトレンドと似ていて、大手ほどの高年収にはなっていません。

平均と同じか、それより少し多いといった企業が主流と見られます。20代のうちは平均年収を下回る企業もあり、大手と中小の代理店は、年収に関しては一括りにしないのが賢明でしょう。  

生涯年収グラフで三回の山を描く事が可能!?

ただ、中途採用者が厚遇を得られるメリットが、広告業界にはあります。

中途採用者を手厚く扱う意識は大手中小を問わず業界全体に浸透していて、能力のある人はより待遇のいい職場に移って年収も上がるという、魅力的な構造になっています。

外国でも広告業界の転職者は多く、中小代理店で専門的な能力を身に付けた後、次の代理店にステップアップしていく人は国内外を問わず大勢いるのです。  

日本の一般的な給与体系では、年収と年齢のグラフは緩やかな山型のカーブを描きます。

しかし広告業界の場合、転職や栄転で一挙に年収アップを達成する人がいるため、生涯グラフで二回か三回の山を描く事が可能です。

また、管理職の年収が大手中小とも一般社員よりかなり高いとされ、社内での出世も高年収につながります。

生涯賃金で計算すると、中小代理店でも平均年収を上回るケースが出てくるのは、こうした事情によるのです。  

見てきたように、大手広告代理店に多い裁量労働制は、年収が高い分だけ働き方に独自性があります。

対して中小代理店は、年収に関して大手ほどのメリットはないものの、生涯賃金でみると上昇カーブを描きやすい事がわかりました。  

給与制度と業界内のパワーバランスは、どの業種であれ他と違いがあります。

特に広告業界は若いうちから独自色の強い給与制度が始まるので、他の業界と違いが大きいのを前提に、年収や働き方を考えていくのが大切でしょう。  

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小野進一

小野進一

この記事を監修した人 小野進一 株式会社ホールハート代表取締役CEO

大学卒業後、大手クレジット会社、日本最大手の企業信用調査会社を経て宣伝会議へ転職。同グループ内で人材紹介会社の創業社長、宣伝会議取締役を経て、2008年ホールハート創業。広告業界に強力な人脈を持ち、1万人以上の求職者をサポートしてきた実績を誇る。これまでのキャリアを活かした他業界への転職支援実績も豊富。人材業界18年の大ベテランで、裏表のない人懐っこい性格からファンも多数。圧倒的な経験と情報量を裏打ちとした、「人」と「人」を繋げるマッチングが持ち味。一般社団法人マーケターキャリア協会代表理事。

「副業」という事業に賭ける思い

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